ギフトのマナー

冠婚葬祭とは、日本古来の4つの儀式【元服、婚礼、葬儀、祖先の祭礼】のことをさします。
このページでは、現代の暮らしの中で必要な冠婚葬祭のマナー(=人間同士の気持の結びつきだと思っております)

結婚、出産、入学祝やお返しの際の、のしの書き方のマナー、挨拶状や礼状の書き方、お通夜、葬儀の際の香典袋の書き方、など冠婚葬祭に関する作法や常識をわかりやすく説明していきたいと思います。
お中元やお歳暮などのギフトの作法などについても取り上げていきます。

贈り物・お返しのめやす

贈り物やお返しの内容やタイミングで悩んでしまうことはありませんか?
代表的なものの「めやす」を簡単な表にしてみました。

贈り物 お返し
結 婚 挙式の1~2ヶ月前より遅くとも1週間前までにお祝いの言葉を書いた送り状を添えて贈ります。 披露宴に招いた場合、引き出物がお返し。招かなかった人へは半返し程度の品を送ります。
出 産 友人なら3,000円~5,000円身内なら5,000円~1万円仲人なら1万円程度の品を贈ります。 お祝いをいただいた方全員にお宮参りのころに半返し程度の品物を贈ります
新 築 新築披露に招かれた場合は、身内で2万円程度。
友人・知人の場合は1万円くらいの品を贈ります。
新築披露に招いた場合のお返しは、半額以下を目安にします。招かなかった方へは祝いの半額程度の品を贈ります。
お中元 お世話になっている方に3,000円~1万円くらいの品を贈ります。 基本的にお返しは、不要です。
お中元・お歳暮をいただいた場合は、確かに受け取った事の報告を兼ねて、できるかぎり早く、お礼状を送りましょう。とても親しい方には、電話でのお礼でも良いでしょう。
お歳暮 お世話になっている方に3,000円~1万円くらいの品を贈ります。
お見舞 病状や好みに応じて5,000円~1万円くらいの品を贈ります。 お返しではなく、元気に回復してから
「快気祝」として自宅に招いたり、見舞いの半額程度の品を贈ります。
ご法要 法要に出席する時は、供物を持っていくか、現金を包んでいくのがマナーです。金額は1万円程度が多いようですが、故人との関係によって考えましょう。 御会食に招いた場合は半額以下の品を目安にします。

お中元のマナー

せっかくのお中元が失礼にならないようにするために、お中元のマナーを確認してみましょう。

お中元とは?


「お中元」は先祖の魂を祭るための捧げものが形を変え、今日の風習として残ったもの。現在では、両親・親戚・仲人・上司・友人や特にお世話になった人などに日ごろの感謝の気持ちをこめて送るのが一般的です。

贈る時期

関東では7月上旬~15日、関西では7月下旬~8月15日が一般的です。

のしのルール


水引:紅白蝶結び・のしつき
表書き:「御中元」(贈る相手や時期によって使い分けましょう)

目上の人に贈る場合は「暑中御伺い」や「残暑御伺い」など、“伺い”という言葉を使うのが好ましいとされています。地域によっても多少異なりますが、「中元」(7月初旬~8月15日まで)、「暑中」(立秋まで)、「残暑」(立秋から処暑まで)という言葉も“時期”によって使い分けるのが正当な贈り方です。

ギフト選びのポイント


まずは贈る人のことを思い浮かべて何を贈ったら喜ばれるかを考えましょう。相手に喜ばれるものを贈ることが基本です。好み・家族構成・年齢などを十分に考慮して、予算に見合ったものを選びましょう。

毎年人気の贈り物
…ビール、コーヒー、そうめん、果物、100%果汁飲料、和菓子、産直の生鮮食品、ハム・ソーセージ、調味料・食用油、洗剤など

贈っていけないものは?

目上の人に履物や筆記用具、時計は贈らないようにしましょう。靴や靴下、スリッパなどの履物類は踏みつけることに通じるため、そして筆記用具や時計は勤勉奨励の意味があるため、目上の人には失礼にあたり、贈り物としてふさわしくない品物とされています。このほか、金券類もお金を贈ることと同様なため避けたほうがいいでしょう。

贈り物の渡し方

本来、先方宅に直接持参するのが正しい渡し方ですが、最近ではデパートやインターネットショッピングからの直接配送が一般的になりました。その場合あいさつ状を添えるか、もしくは商品しか送れない場合は、届くことを見計らって別便で手紙かハガキなどで挨拶状を送るのが礼儀です。身内や友人に贈り届ける場合は電話でも差し支えないでしょう。

先方が喪中の場合は

喪中のときに贈る場合は、のし紙や水引はつけない方がいいでしょう。お中元は特にお祝いではないので、どちらが喪中でも差し支えありませんが、この場合、のしや水引は避け、白無地の短冊に「お中元」と書いて贈ると無難です。四九日前や先方が気落ちしている場合などは贈る時期をずらして「暑中見舞い」や「暑中御伺い」とするとよいでしょう。

今回だけお中元を贈りたい場合

今年だけお世話になった方などへ贈る場合は、のし書きを「御礼」などとして贈るのがよいでしょう。

お歳暮のマナー

お歳暮の起源と由来


お歳暮」という慣習は日本にしかありません。お正月に祖霊(先祖の霊)を迎え御魂祭りの御供え物や贈り物をした日本古来の習わしが、起源とされています。嫁いだり、分家した人がお正月になると本家へ御供え物を持ち寄ったのが始まりです。

かつては、お歳暮に贈る品は年越しに必要な御供え物でしたので、塩鮭、塩ぶり、数の子、するめ、もちなど食料品を送る風習でした。新年の準備を始める12月13日から20日までに贈られたそうです。今ではさまざまな品物が贈られ、日ごろお世話になっている方々への年末のあいさつになり、贈答儀礼に変わりつつあります。

もともと「歳暮」は年の暮れを意味する言葉ですが、こうした年末の贈り物の呼び名として定着していったのです。

贈る時期

季節のあいさつなので、贈るタイミングをはずさないようにしましょう。正式には「事始めの日」というお正月をお祝いする準備を始める12月13日から12月20日までに贈るものでしたが、現在では11月末頃から贈られる方も多いようです。

また、関東では12月初旬から12月31日、関西では12月13日から12月31日までとされていますが、暮れも押しせまった忙しい時期に届いても迷惑なので、20日くらいまでが無難でしょう。お正月用の生鮮食料品を贈る場合は反対に遅めの方が親切でしょう。

※12月26日以降になると「謹賀新年」が「寒中見舞い」になります。同様に「お歳暮」が「御年賀」「寒中御見舞い」となるのが正式マナーです。お正月用品を贈るのでしたら年内ぎりぎりに間に合うように「お歳暮」でも大丈夫です。

贈るタイミングをのがしたら

年内に間に合わなかったら関東地方では1月7日(松の内)までに、関西地方では15日までに表書きを「御年賀」として届くようにとされています。さらに遅れた場合は、松の内がすぎてから立春(2月4日頃)の間まで「寒中お伺い」や「寒中御見舞い」として贈ります。

贈るもの(今年の傾向?)

食料品や日常品に利用できる実用品が、一般的ですが、人気商品は重なりやすい可能性があるので、相手が選べるカタログギフトなども良いかもしれません。

お歳暮としてもらいたいもの商品ベスト10

1位 商品券・ギフト券 6位 ホテル・名店の味
2位 選べるカタログギフト 7位 お魚・カニ
3位 お菓子・デザート 8位 お米・麺類
4位 お肉 9位 プレミアムビール
5位 ハム・ソーセージ 10位 コーヒー・紅茶・緑茶

(参考資料: 有効回答者数 1162名/2009年10月 goo調べ)

「贈りたい品物」と「もらいたい品物」の両方において「好みに合っているもの」「品質の良いもの」「実用性のあるもの」が、圧倒的です。

お歳暮の相場

おつき合いの度合いによって相場も違いますが、両親や上司など目上の方に対しては5,000円程度、友人など気軽な相手に対しては3,000円程度が相場です。

また、贈り手の年齢によっても違い、20代の贈り手はそれよりも低めとなり、最も高めなのが40代。お歳暮のほうがお中元よりも高額になる傾向があります。いずれにしても、お互いに負担にならない程度のものが適切です。

また、お中元を贈った相手にはお歳暮も贈るのが一般的です。お中元、お歳暮のどちらか一方を贈るならお中元より一年の締めくくりの意味でもお歳暮を贈るのがよいでしょう。

贈り物をする機会は、お歳暮に限らず日常よくあることですが、日本人だけが大切にしてきた習慣である「お歳暮」。この1年のお付き合いに感謝の気持ちを込めて贈りたいものですね。

お歳暮のマナー


【 のし紙 】
必ずのし紙をつけ、水引きは紅白の蝶結びを使います。魚や肉などの生ものには、正式にはのし(のし紙の右上につける飾り)をつけません。

【 喪中の場合 】
お歳暮はお祝いごとではなく日頃の感謝を伝えるものなので、当方・先方のいずれかが喪中でも差支えはありません。ただし、四十九日が過ぎていない場合には、時期をずらして「寒中御見舞」「寒中御伺い」にしたり、紅白の水引きを控えたりしましょう。

【 配送するとき 】
本来は持参するものですが、最近ではお店から送ってもらうことが多くなりました。配送する場合、送りっぱなしはマナー違反。親しい間柄なら電話やメールでも構いませんが、品物に挨拶状を同封。または、品物が届く前に挨拶状を郵送しておきましょう。生ものや賞味期限の短いものを送る場合は、不在期間にあたらないか、事前に確認しておきましょう。

【 持参するとき 】
持参する場合には、訪問前に先方の都合を伺ってから。正式には風呂敷で包んで行きますが、紙袋の場合には必ず袋から出して渡しましょう。

【 お歳暮をもらったとき 】
お歳暮に対するお返しは不要ですが、きちんとお礼の意を表すのがマナーです。配送されてきた場合には、すぐにお礼状を出すのが基本。親しい間柄なら電話やメールでも構わないでしょう。